平尾台

カルスト台地・平尾台

羊群原

平尾台は国指定天然記念物(1952年320ha)・北九州国定公園(1972年平尾台は1,144ha)・県立自然公園(1950年)に指定されています。
羊群原で代表される半裸出のカルスト地形が、海抜350~600mの台地に形成されています。
平尾台の石灰岩は、3憶4千万年の赤道近くの海の海洋生物(サンゴ、フズリナ)の死骸が石灰岩になったものです。
地殻の移動で、現在の平尾台まで移動してきました。
カルスト地形とは、石灰岩で出来た地質が、二酸化炭素を含んだ水(雨水、地中)によって溶食、浸食されて出来た地形の事です。
カルスト地形の特徴を見てみましょう。


ピナクル

ピナクル(石灰柱)

 昔は石灰岩柱やカレンと呼ばれていましたが、現在はピナクルと呼んでいます。
 地表や地中の石灰岩が水に溶かされ様々な形をしています。
 石灰岩は二酸化炭素を含んだ水(雨水)や、地中の二酸化炭素を含んだ水で溶けていきます。
 地面の上に転がっている訳でなく、地下深く続く石灰岩の頭が地表に出ています。
 平尾台の石灰岩は、1億年前にマグマの熱で溶かされ再結晶した、結晶質石灰岩です。
 化石もその時に溶けたので、平尾台の石灰岩の中からは発見されません。
 表面がざらざらしていますが、熱の温度が高かった場所は、結晶の1つ1つが大きいです。
 

ドリーネ

ドリーネ

 地中の石灰岩が溶けてすり鉢状になっています。
 様々な大きさのドリーネが約400個近くあります。
 雨水はドリーネにある、ポノールと呼ばれる吸い込み穴から地中へと流れて行きます。
 長い時間を掛けてドリーネは大きくなっていきます。
 昔は畑として耕かされていまいした。
 ドリーネの底が平たんになっているのはその名残です。

帰り水

帰り水

 地中へと流れ込んだ水が一時的に地表に現れ、また地中に流れ込む場所があります。
 大きさは様々ですが、水の少ない平尾台では、生物たちの貴重な水飲み場となっています。
 炭酸カルシウムが多く含まれているので、水底にトゥファと呼ばれる鍾乳石が出来ます。

洞窟

鍾乳洞

 平尾台上に川はありません。
 雨水は地中の石灰岩を溶かしながら地下へと流れて行きます。
 地中の石灰岩は水によって溶食、浸食され地下川となります。
 洞窟は地下河川です。
 石灰岩を溶かした水から、二酸化炭素が空気中に放出されると、石灰岩の成分、
 炭酸カルシウムが沈殿されます。
 炭酸カルシウムは時間を掛けて、洞窟内に鍾乳石(2次生成物)を形成していきます。

平尾台の有料観光鍾乳洞

平尾台の四季