ハンス・アム・エンデ Hans am ENDE
1864年―1918年。北ドイツのブレーメン北西にある村、ヴォルプスヴェーデは、2人の青年画家、フリッツ・マッケンゼンとオットー・モーダーゾーンがこの小さな村に住み共同生活と製作活動を始めたことから芸術家村として生まれた。マッケンゼンの友人ハンス・アム・エンデが加わり、以降ハインリッヒ・フォーゲラーや詩人ライナー・マリア・リルケなどの訪問によって、この芸術家村は新しい芸術運動の発信地となった。

当時ヨーロッパ各地に生まれた芸術家村は、19世紀の急速な技術革新や都市化に疲弊した近代人にとって、ふたたび根源的な生の営みを求めて自然へと回帰し、創造を鼓舞する生活と芸術との融合をめざす、そのようなユートピア的思想を背景とする共同体的な場であった。泥炭地の掘削によって貧しいながらも素朴な人間性を失わずに生きる人々が暮らし、手つかずの自然の残る北方の地ヴォルプスヴェーデは、まさにそのような場として近代ドイツにおけるもっとも重要な芸術家村の一つとなった。


「白樺の小さな森」
1897年
銅版
29.5×21.8cm

「子どもの頭部」
1897年
銅版
29.6×21.3cm
版上サインあり

「泥炭地の風景」
1897年
銅版
27.0×29.5cm
版上サインあり


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