第374回 佐藤研吾展 くぐり間くぐり

2024年11月22日(金)〜12月1日(日)
11:00-19:00
※会期中無休



※画像をクリックすると拡大して表示されます。

2018年に初個展「佐藤研吾展―囲いこみとお節介」 、2022年に「佐藤研吾展 群空洞と囲い」 、2023年のアートフェア東京ではピンホールカメラのインスタレーション《仮面と連担》 を披露した建築家・佐藤研吾は、一貫してピンホールカメラを制作しています。 3回目となる本展では、新作のピンホールカメラや、撮影に使うミラーのオブジェなどの立体を中心に、ドローイング、コラージュのほか、カメラでもあり被写体でもあるピンホールカメラで互いに撮り合い、自身でプリントした銀塩写真もご覧いただきます。 現在は福島県大玉村と首都圏を往復しながら建築設計を中心に様々な活動を行なっており、ときの忘れものブログでは佐藤研吾のエッセイ「大地について―インドから建築を考える―」を毎月配信しています。

【ステートメント】
リアルを確かめるために、向こう側を見つめる、向こう側を作る。ひょっとすると矛盾しているが、そんな感覚な気がしてきた。過去を視て、未来を探す。遠くの世界に思いを馳せながら、日頃の生活に取り組む。限定的な自己についてを探求し、大きな世界の構造を掴み取る。もしかすると世界はどこかで領域付けられ分断しているのかもしれないが、分断された向こう側を必死に覗き込む努力をする。その試みはおそらく、見るという光の速さでなし得るものではなく、潜る(もぐる)、あるいは潜る(くぐる)と言い表すくらいのある種の困難さもあるだろう。

ピンホールカメラの撮影にはとても時間がかかる。これが本当に光の所業なのかと思うほどに遅い。光は穴の中をズルズルとくぐり抜けているようだ。今回の制作では、カメラの前に鏡を据え置く。カメラのシャッターを開き、鏡の向こう側へとくぐり、世界を覗き込む。そうして撮影された写真もまたその世界の鏡像であるに違いない。あるいは向こう側なのか。イマージュからイマージュへ、少々の時間をかけて、くぐり抜けていく。

●対談イベント
11月26日(火)17時〜18時半  ゲスト:藤原徹平さん(建築家)
11月29日(金)17時〜18時半 ゲスト:大竹昭子さん(文筆家)
※要予約、参加費1,000円、ご予約はこちらから
※イベント中は予約者以外はご入場いただけません。

●作家在廊予定日
11月22日、23日、24 日、26日、29日、30日、12月1日
※いずれも15:00〜19:00を予定


佐藤研吾 (b.1989)
建築家、一級建築士。神奈川県横浜生まれ。2011年東京大学工学部建築学科卒業。2013年早稲田大学大学院創造理工学研究科建築学専攻修士課程(石山修武研究室)修了。同専攻嘱託研究員を経て、2014年よりスタジオGAYA。2015年よりインドのVadodara Design AcademyのAssistant Professorに就任。同年より東京大学工学系研究科建築学専攻博士課程在籍。

2016年より福島県大村で藍染めの活動をする歓藍社に所属。同年よりインドでのデザインワークショップ「In-Field Studio」を主宰。2017年に「インド・シャンティニケタンに同志を募って家を作りに行く」でSDレビュー2017の鹿島賞を受賞。2018年より福島県大玉村地域おこし協力隊。インド、東京、福島という複数の拠点を往還しながら、創作活動に取り組んでいる。


展示風景 ※画像をクリックすると拡大します。





























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